投稿日: 2025年9月16日2025年9月16日心の三大欲求について~自学・自主性と育てるために~ こんにちは!ヨコミネ式保育園1歳児たまごクラス担任 元木先生です。 今日は少し長めの文章となっています(^^; 保育の3大生理的欲求『食べる・寝る・排泄する』マズローが定説した『欲求5段階説』の他にも『心の三大欲求』というものがあるのをご存知でしょうか。 今日は”自分でやってみたい!”1歳児のやる気溢れる気持ちに寄り添う関わり、自学・自主性を育てる上でとても大切な【心の三大欲求】についてお話します。 心の三大欲求とは『承認欲求』『自律性欲求』『有能感』と言われています。・承認欲求 …他者に認められたいという欲求。・自律性欲求…自分の意思で決定したいという欲求。・有能感 …自分が何かできるという感覚を持ちたいという欲求。これらの欲求は、自己啓発や人間関係構築において重要な要素とされています。 ●承認欲求について「抱っこして!」「これ見て!」と子どもはひっきりなしに要求してきます。抱っこされたりよしよしされたりして、自分が愛されていることを確認すると満足して、自分のやりたいことへと向かっていきます。ここを満たされると、次に自分の成長を望みます。 ●自律性欲求についてもっともっとできるようになりたい!大きくなりたい!成長したい!という欲です。こどもは成長欲のかたまりです。1~2歳児の「自分でする!!!」も成長欲ですね。うまくサポートしながらこの成長欲を満たしてあげる手腕が必要になってきます。 ●有能感について自分で出来る!という自信が持てるようになると、他人のために何かしてあげたい。他人に喜んでもらえることが嬉しいという欲求が強まります。本質的に人はこの貢献欲を持っていると感じます。赤ちゃんも、ママや先生が喜んでくれることに喜んでいる様子がうかがえますね。 ここで特に注目したいのが自身の意思に基づいて決定する『自律性欲求』。いわゆる”自発性”と呼ばれるところになります。自主性・自学の姿勢…呼び方は様々ですが、ヨコミネ式においても自発性的な行動は、とても大切にしたい部分でもあります。 大人で分かりやすく例えると、今から掃除しようとしたところに「掃除してよ!」と言われると(今やろうとしてたのに…)と少しムッとしませんか?小学生の頃、親から「宿題しなさい!」と言われた時も感じたあの気持ち。その自律性欲をうまくコントロールするのが、保育・教育の根本と考えます。 子どもは周りの人間がサポートをしていかなければならないのですが、手取り足取りしてしまうと自立性欲求を十分に感じられなくなるのです。 だからこそ1歳児たまごクラスでは、様々な場面でそういった関わりを意識しています。例えば食事の場面…ーーー「これいや!」といった子どもの意見にしっかりと応答的にかかわることで、子どもが「先生に僕の気持ちが伝わった!」と感じて安心感が生まれます。そこから先生が「そうなんだね、先生これ大好きなんやけど、おいしくなる魔法かけてみるけど食べてみる?」と提案、子どもも『それなら食べてみようかな…』と自分の意思で決定してたべるようになります。食べさせられるより、自分の意思で食べてみようと思う気持ちが大切です。ーーー1歳児の運動会練習の場面でも…ーーー9月に入ってから何度か運動会の練習の時間が設けられます。海の歌を歌ったり、海賊の絵本の読み聞かせをしたりして子どもの”海賊ダンスのやりたい気持ち”のスイッチをオン!早くダンスがしたくてウズウズしている様子です。運動会練習の日だからダンスするのではなく、子ども自身がダンスしたい!やるぞー!となるからダンスの日になります。ーーー 長い文章となりましたが、心の三大欲求は段階式です。①承認欲求を満たして自分が愛されていることを確認すると満足して、遊びに自分のやりたいことへと向かっていきます。②自分の意思で決定したいという欲求を、うまくコントロールして成長欲を満たしてあげる。③自分で出来る!という自信が持てるようになると、他人のために何かしてあげたい。他人に喜んでもらえることが嬉しいと思う有能感(貢献欲)が強まります。 こういった欲求を満たすことでイヤイヤ期の子どもたちも、「○○しよう!」より「○○したい!やってみたい!」と子ども自身が選択できることで自ら進んで活動に参加することができます。そして有能感まで満たされるとお友だちに「どうぞ」したり「一緒に行こう」とお友だちへの繋がりにも結び付いていきます。 年を重ねるになっていくにつれて、子どもも多様な指示を聞いたり自分で情報を取捨選択していかなければいけません。1歳児の頃から子ども自身で考え、行動していく基礎を培っていきたいと思います(^^)